1999年 元禄繚乱

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赤穂浪士を描いた大河ドラマは1964年の『赤穂浪士』、1975年の『元禄太平記』、1982年の『峠の群像』に続く4作品め。赤穂浪士がいかに日本人に愛されている題材であるかがよく分かる。討ち入りが旧暦12月14日であったことから、大河ドラマでなくても赤穂浪士は昔から年末に放送されがちな題材。年末がクライマックスである大河としても描きやすいのだろう。登場人物が多いのも魅力の一つ。討ち入りに参加した赤穂浪士だけで47人いるし、途中で離脱した人、仇である吉良上野介や、幕府など、様々な視点で物語を描くことができる。また、現代でも明らかになっていない部分があるのも、物語を作る余白があり、脚本家のオリジナリティを出すことができるのだと思う。私自身は先の3作品を観ていないので比較ができないのが残念だ。

本作は単純な勧善懲悪の仇討ちの話ではない。東山紀之さん演じる浅野内匠頭は清廉潔白すぎて融通が利かない人物として描かれており、仇であるはずの吉良上野介に同情してしまう部分もある。五代目中村勘九郎(十八代目中村勘勘三郎)さんが演じた大石内蔵助をはじめとする赤穂浪士の一部も、本来の仇は片手落ちの沙汰を下した幕府であると考えながら、幕府に対してはさすがにどうすることもできず、吉良を討つことを通して幕府に抗議する道を選ぶというような描き方であった。そこに更に説得力を持たせていたのが、吉田栄作さん演じる架空の人物、岡島忠嗣である。この人物は沼田藩家老の子という設定で、主家は幕府によって改易されてしまい、そのせいで父と兄が死に、恋人だった染子まで行儀見習いにいった先で将軍・綱吉のお手つきとなり、幕府や徳川家を強く恨んでいる人物。赤穂浪士の一人・寺坂吉右衛門の代わりに、討ち入りに参加することになる。

このように、赤穂浪士、吉良、そして幕府、という、大きく三通りの目線から物語は進行する。

この時代の幕府というのは前述の通り徳川綱吉の治世であるが、綱吉と言えば萩原健一さんを真っ先に思い浮かべるぐらい、この作品の綱吉は印象的であった。マザコンで女好きでキレやすい、なんとも言えない狂気と気持ち悪さのある人物として描かれ、権勢の上にあぐらをかいたどうしようもない幕府の象徴のような存在であった。そんな綱吉をうまく利用して権力を得ようとするのが側用人の柳沢吉保である。村上弘明さんが演じた柳沢吉保はポーカーフェイスでありながら己の権力のために策謀する策士で、赤穂浪士の仇討ちにより吉良家の親戚筋である米沢藩上杉家をも取り潰そうとする。その目論みに気付いてなんとか討ち入りを阻止しようとするのが、松平健さん演じる上杉家家老・色部又四郎。大石、柳沢、色部の3人がそれぞれ謀略を巡らせるのだが、それぞれが独立しているわけではなく、間をつなげる物語も描かれる。例えば、赤穂浪士の矢頭右衛門七と、吉良上野介の孫で養子の吉良義周との親交。矢頭右衛門七は今井翼さんが、吉良義周は滝沢秀明さんが演じ、互いの立場を知らずに仲良くなった2人が討ち入りの際には刀を交えるという演出で話題を呼んだ。2人はユニット結成前でジャニーズJr.だったが既に絶大な人気を誇っており、そういうものに興味がなかった私でも2人のシーンは注目して見ていた。