この作品に関しては、内容よりもキャストが印象に残っている。まず、時宗の兄・北条時輔役の渡部篤郎さん。『毛利元就』でも「不遇の兄顔」として紹介したが、時輔の暗さはその比ではない。側室の子なので家を継げずにひねくれて、でも弟のことは想っている兄と、そんな兄に気を遣いつつ幕府という重圧を背負う宿命にある弟。途中で死んだかに思えた兄は海を渡って蒙古の使者として再び弟と対峙する。源義経の不死伝説じゃないんだからとつっこんでしまったのは言うまでもない。2人の関係は、少年時代が特に濃く描かれていて、演じた2人の俳優さんもとても良かった。時宗が浅利陽介さん、時輔が崎本大海さんである。お互いへの思いやりを持ちつつも、陰謀渦巻く幕府の中で翻弄され、成長していくなかで無垢なままではいられない2人の少年を、鮮やかに演じていた。この2人は他の大河ドラマにもたくさん出演されており、2018年までの時点で崎本さんが4作品、浅利さんはなんと8作品に出演されている。これから先も楽しみである。
また、平頼綱を演じた北村一輝さんの怪演もよく覚えている。平頼綱は本作品で素性の怪しいやつとして登場する(史実ではそんなことはないのだが)。時宗の傍近くで絶対の忠誠を誓っており、どんな汚いことでもやってのける忠臣で、時宗からも信用されている。しかし視聴者からすると、手段を選ばないその忠義ぶりが故に、何をしでかすか分からない危険人物に見えた。平頼綱というと、安達泰盛と衝突し滅ぼした霜月騒動が歴史上有名だが、柳葉敏郎さん演じる安達泰盛は気持ちのいい人物で、時宗の義兄ということもあり信用できそうに見え、平頼綱の対極にあるように感じながら見ていた。
そしてこの作品で一番カッコよかったと思うのが、北条実時を演じたピーターこと池畑慎之介さんである。役柄としても、金沢文庫を創始し、北条家のバランサーとして活躍した知的で冷静な人物。見た目もバラエティなどで見せる姿とはまったく違った、口ひげを蓄えた渋い姿で、このギャップ、ズルイなと思った。
リンク
Wikipedia 北条時宗 (NHK大河ドラマ)
キャスト、スタッフや概要はこちら。
三春情報センター
横浜市金沢区の中古一戸建てを探す
https://micnavi.jp/buy/kanazawa/uhouse
金沢文庫を創設した北条実時、またの名を金沢実時の名は、現代では横浜市の金沢区として残っている。『秀吉』のページでも触れたが、地域の不動産物件を見れば、街の雰囲気が分かるというのが私の持論。鎌倉時代からあるような古い街だからか、なんとなく懐かしさを感じるような街並みだ。
歴人マガジン
【世界の4分1を支配した男】元の初代皇帝フビライ・ハンとは?
日本人にとってフビライ・ハン(この作品ではクビライ・カアン)は侵略者というイメージだけしかない人も多いと思うが、世界史的に見ればモンゴル帝国の最盛期を築いた人物。このサイトでは最盛期の国土の広さが示されていて、すごさを改めて感じることができる。